懇願 - 1/4

告白したのは俺だった。結構軽い気持ちだった。よくあることだろ?軽い気持ち。あとはタイミングさえ合えばいいんだ。それを見極めるのが難しいって?大丈夫、俺でもできたから。
軽い気持ち。第一印象は、可愛いだった。男相手にそれはないって?あるんだよ、馬鹿だな。
まあ、俺の話を聞いてくれよ。最近倦怠期って感じなんだ。嫌そうな顔しないでくれ。
まず会えてないんだよな。俺もあいつも忙しくてさ。いや、あいつの方が忙しいんだけどさ。それで、邪魔したくないんだ。で、連絡もしてない。もうダメだろみたいな顔すんなって、俺これでも結構悩んでるんだぞ?

冗談っぽく言うのは得意だ。いつもそうしてるから。
最初は俺から。ちょっと気に入ったから。その程度。抱いてやろうとも考えていた。今考えると馬鹿は自分だったと思う。そういうのは、立場が逆転するっていうのが相場だ。小説とかだとな。本当だったよ。嫌になるほど抱かれた。やめてくれって俺は何度も言った。それでもやめてくれなかった。腹が気持ち悪くて吐いた時もあった。下痢なんてしょっちゅうだった。あいつが俺の家に来るときはいつもそうだった。まるでそれだけが目当てだったみたいに。俺だって抱いてやろうと思ってたんだから人のことは言えないが、俺ならもっとうまくやれると思うんだ。少なくともこんな状態にはしない。俺が吐いて、下痢してるときあいつは傍にいない。いつも俺一人だ。それでもあいつと俺は付き合ってる。とんでもない依存だ。離れられるなら離れたい。でも依存してるから離れられない。そうやって今までずるずると続いてきたんだ。